基本は日帰り・ご近所さんへの旅鉄訪問記

確認より発見が目標の旅鉄と気まぐれ街歩き薄口日記の2本立てですよ〜

清里は終わっていなかった

 

 

こんばんは、人数調整とかで連休がなくなってシフト制のように休みが散ってしまい、泊まりの旅ができなくて苦悩してます。そんな中、今月の遠足に出かけてきました。これもいずれ書こうと思います。


今回は長編になってしまいました。


「終わってる観光地」「バブルの遺跡・廃墟」「高原のメルヘンな廃墟」と言われてて、動画も寂れた終わってる感満載のばかりある、ある年代以上の人なら誰でも知ってる高原リゾート「清里」。

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このゴテゴテの駅前が必ず出てきます。

私は隣の最高所駅でミニ北海道な「野辺山」の方ばかり行ってましたが。
確かにまだバイクに乗る前、初めて小海線をおとづれた時、2両編成のディーゼルカーは満員、清里は道が渋滞してたのを記憶してます。

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トンネルに入ると星空のように光るファンシーな特別列車も。

バイクに乗るようになってから、八ヶ岳は人気のツーリングコースだったので年に1〜2回走りにきてました。
でもその時は山沿いの「横断道路」から野辺山へ抜けるコースがメインだったので、清里の駅前がどうなってたかなんて知りませんでした。

有名な清泉寮のソフトクリームを買うために、「夏休み」なファッショナブルな女の子に混じって重装備のライダーが並んでるという他では見れないシュールな光景が繰り広げられてました。


その後「廃墟となった清里」のYouTubeやブログを読んで、「本当のところどうなんよ」という好奇心もあって行ってみることにしました。
ちょうどハイシーズンに入る7月の3連休。「稼ぎどき」に入った頃でした。

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7月連休。あずさに乗って小淵沢を目指しました。

あずさで八ヶ岳方面を目指したのなんて何十年ぶりでしょうか。
乗った列車がスーパータイプでなかったので新型じゃなくて残念。連休1日目だけあって指定席は売り切れ。

残りわずかだった時、バラで残った通路側でしたが取れてよかったです。
車内販売で買ったコーヒーを飲みながら、のんびり。やっぱ旅はいいねえって。


定刻に小渕沢に到着。さすが特急、早いです。
構内は以前とほとんど変わってませんでした。懐かしい。

ここからがお楽しみの小海線。2両のキハ100はあらかた席が埋まってたので、最前の「かぶりつき」で前面展望が楽しめました。

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中央本線と別れて右に登りの大きなカーブ、ここの車窓が大好きです。展望と「高原に行く」って感じがいいんです。

野辺山の最高地点までずっと登りなので、エンジン音を響かせて快走。さすがキハ100は52のように25〜33パーミルの坂でも速度を保ったまま登っていきますね。

登るにつれて空が近くなって行くような感じが好きなんですよね。
青空で今日はいい旅ができそうだと思ったんですが..。


26分で清里着。半分くらいの人がおりました。なんだかんだ言っても臨時列車も出るくらいのところですね。

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駅名標がイラスト入りになってるくらいで、ここも以前と変わらない駅舎。なぜか釜飯の「おぎのや」さんの支店が。

横に少し傷んだSLの静態保存がしてあって植え込みのある駅前で地元の野菜の露店が。
まあ、ここまでは「観光地の駅」って感じですが、駅前の道に出ると…。

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例のこの駅前通りの写真です。

そこは確かにシャッター通り
空いてるお土産やさんも2〜3店ありますが、頼りにしてたレンタサイクル屋さんは営業してるのかわからない。

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大人気だったというMILKPOT。写真を撮るために30分ぐらいの行列ができたとか。

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「らしい」名前の店やペンションがたくさんあったそうです。

メルヘンなテーマパークのような街並みでタレントショップが軒並みあり、「高原の原宿」と呼ばれていたんですが、ほとんど建物だけ残して空き家。

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こんな遺構もありました。

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違う意味でワンダホーでシュールな風景でした。
通りの奥にあったタレントショップやファーストフード、お土産屋があった2葬式の結構大きなショッピングモールも見事な廃墟に。

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ここに原宿がコピーされたように、タレントショップやクレープなどの店が並んでいたようです。

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ランドマークだったと思われる時計。今も正確に時を刻んでいます。



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わずかに残った所有してる人が掃除をしてるようで、ほとんど傷んでないものもありました。

当時の女の子はほとんどが鉄道利用で回っていたので、メルヘンな建物は駅前に集中してました。
小海線の踏切を越えると、風景が一変して森と牧場のある高原の風景。

このギャップも面白いです。
また、建てられたのが’80年代がほとんどなので、その時代のテイスト満載の遺構が興味深いです。

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メインの通りを外れて裏凍りを歩くと、表の派手な景色と違いごくごく普通の街の風景でした。
空き地が多いのはペンションがあったからでしょうか?

今も営業してる、見た感じ個性的で「泊まってみたくなる」ペンションが何件かありました。個性を感じるくらいだから生き残っているんではないでしょうか。

「女の子に大人気YH」といわれてた清里YHも健在。こうして見て回ると、ごく普通の高原の街って感じでした。


駅前の県道からショートカットして国道に出る道を使うと、遠いと思っていた「萌木の里」に。
意外と近かったんですね。

国道にも放置された「いかにも」って感じの宿泊施設の廃墟が目立ちますが、意外に静かな高原の雰囲気が楽しめます。

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営業してるんじゃないかと思う新しい建物も結構あります。

「萌木の里」はバラバラにあったショップやレストランが集めて作ったドライブ施設です。コンビニもあります。

ここは駅前のさびれっぷりと違って駐車場は満車。人気店には行列ができていて、カレーが美味しい「ROCK」なんかも外にまで行列ができているのでパス。


ここの外れの森の中に、メルヘンの遺構のような穴場的スポット「妖精が棲む滝見の丘」が気になったので行ってみると、千の滝が見える静かな森。壊れそうなベンチなんかがあったので、一応観光スポットだったのかもしれません。

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休憩できるスペースが作ってありました。

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名前の由来はKれでしょう。

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木々の間から滝が見えます。

滝の音と森の音、こぼれ日が心地いい場所です。
滝を見る人がちょくちょくくるのが難点ですが。


萌木の村は盛況だし、清泉寮はグレードアップしたようだし、それなりに鉄道利用もあるしで、清里は「終わってる観光地」では全然ないんじゃないかと思いました。確かに若い人は少ないですが。

駅の周りのPOPな廃墟がなければ、ごくごく普通の高原。

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実は営業してるんじゃないかと思う店内。

そしてほとんどの観光客は自家用車利用。お客の流れと流行が終わっただけ。

今が「普通」の姿ではないかと思いました。


そして、観光の中心が「清里高原」「美しの森」「清泉寮」「萌木の里」に移ったんだと思います。
変わってないのは高原の爽やかな空気と綺麗な自然。


駅の周りの空き家というか廃墟がずっとそのままになっていたのは、権利関係が複雑で取り壊して再開発できないようでした。

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貸店舗になってたり、こんな張り紙があったり。


そんな中で奥まったところにたまたま見つけた小洒落たグラタン専門店「アミ」で昼飯。
これがまた絶品。

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写真がなかったのでパンフを。


コンビニのグラタンの100万倍(大げさ)おいしかったです。
これを食べに電車できてもいいくらい。食べログの評価も高評価になってました。
HP=http://guratan-ami.sakura.ne.jp

実はここでランチしてたら青空が嘘のように暗くなり雷雨。

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こんな青空だったのが、あっという間に真っ暗になって雷雨に。


おかげで足止めになってしまい清泉寮に行けなくなったのでした。

まあ、山の天気ですから。


まだまだ捨てたもんじゃありませんよ、ここは。

 


ここに一泊したい気分になりましたが、新幹線の時間があるので帰路につきました。
野辺山までは高原の風景の中を走ります。

旧国道から橋梁を渡る列車の背景が八ヶ岳だった撮影名所は国道が新道に付け替えられて台無しになりなくなったのでした。
JR最高地点の踏切を過ぎると平坦な北海道的な景色。八ヶ岳がきれいです。

JR最高所駅の野辺山で観光客のほとんど全員が降りてしまい、車内はのんびりムード。
実は個人的には野辺山〜信濃川上間の高原と突っ切って千曲川の谷に大回りをして降りていく風景が好きなんです。

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まるでミニ北海道のような車窓。

この区間の車窓も素晴らしいと思うんですが。
信濃川上駅のたたずまいも。


ここから先は千曲川に沿ったローカル線の味わい深い区間
小海線というと「高原列車」というイメージが先行してますが、後半部分はオーソドックスな信州のローカル線って雰囲気だと思います。


小海線が新幹線をまたぐという珍しい構造の佐久平北陸新幹線で一気に東京に帰りました。

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連絡通路が普通の新幹線と違うので結構戸惑いました。

あさま号」はガラガラだったのに「本日の指定券は売り切れ」って放送してたので不思議に思ったら、軽井沢でドット乗ってきたのには驚きでした。

今は軽井沢は日帰りエリアなのでしょう。
碓氷峠区間もまったく特別な区間ということを感じさせなくなりました。

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このコースも以前は日帰りは無理で、上田まで出て別所温泉で一泊して帰るというのが定番でした。
でも、長野(当時)新幹線開業で日帰りが無理なく可能になって、中身の濃い日帰り旅ができるコースになったと個人的に思います。

 

本館で3回に分けて掲載した日記を、リライトでまとめてしまったので長くなってすいません。


今回も読んでいただきありがとうございます。