2019北陸途中下車の旅・筒石「2019Ver.」
こんにちは、前回に続き金沢からの帰路、北陸途中下車旅です。
「親不知」に続いては、トンネル駅「筒石」。
トンネル駅としては上越線の「土合駅」が有名ですが、有名になって観光地化っぽくなってしまったので個人的には、簡素な作りながら負けてない「筒石」の方が好きです。
そして大きな違いは土居駅が上下線が離れていて、上り線は地上駅になってます。
対する「筒石」は複線断面のトンネル内に作られた、上下線とも地下駅というところです。
その「筒石駅途中下車」ですが、2019年の時は、段落としで3駅下車するために時間いっぱいのスケジュールで組んだのでした。なので筒石が予想外に山中の秘境駅だったために、海沿いの漁港のある集落まで行けずに時間切れで引き返すことになってしまいました。
不本意だったために2020年の旅の時、途中下車と集落散策、旧北陸本線の廃線跡歩きを組み込んで再訪しました。
それを書くと長くなるので、今回は2019年に初降りした時のことを書きます。
トンネル途中で駅の案内放送がありトンネルの中で停車。
降りたのは私と2人くらいでしょうか。
降りてみてまず「ホ、ホームが狭い」。おそらく津軽海峡線にかつてあった、「海底駅」くらいの幅だと思います。
貨物列車や特急などが90〜120kmで通過するためこのホーム幅は危険です。そのためシャルターみたいな扉のある待合室があり、停車列車が止まるまではホームに出ないようにしてくださいとあります。
しかも、土合駅に比べて暗いです。照明がないわけではありませんが最低必要なくらいしかついてません。
これは階段や通路も同じです。目が慣れてこないと真っ暗に感じます。
こういう特殊事情の駅のため、最近まで有人駅でした。
駅そのものの構造は対抗式の複線用の駅が地下に埋めてあるような構造だと思います。
しかし、何と言っても地底駅。地上までは約300段の階段を登らなければなりません。
その階段は普通ですが、滑り止め兼反射板なんていう親切なものがついてるわけはなく、階段の幅がどこまであるのか目が慣れるまではわからず怖く感じました。
階段を登りきると、駅舎の中の待合室。有人駅時代には切符を売ったりしてたのでしょう。
駅ノートもありました。
プレハブ小屋のような駅舎を出ると、車がUターンできるだけの広場があるくらいで何もありません。
林道のような駅前通り(?)が上の道につながってますが、あたりは住んでるのかわからない家が2軒あるくらいの深い山の中。
右には深い谷があり、北陸自動車道が高い橋でまたいでいます。
コレは充分「秘境駅」です。まったく予想外でした。
この駅を紹介されたものを見たことありますが、こんなトンデモな山の中なんてありませんでした。
なので、勝手に集落のはずれにあるトンネル駅だと思っていました。
崖に沿った道を下って行くと、山の間に日本海が見えます。
駅にある案内板には駅の標高が60mとありました。
同じ高さといえば、東京から一番近い絶景駅で有名な「根府川駅」が60m。
あそこから真下を通る海岸の真鶴道路まで降りたことありますが、かなりきついです。
道端の地層から水が湧き出てるというのも興味深いですが、集落はかなり遠そう。
小学校があり、家が何軒かあるところまできたところで、戻る時間を考えてタイムアップ。
この日の予定では、次の列車で直江津に出なければ3つ目の絶景駅に寄れなくなります。
「ここを周るには3時間くらい必要だな」と汗だくなりながら降りてきた山道を登って駅へ。
大急ぎでホームまで行った時には、列車がくる5分前でした。
上がった呼吸を整える間も無く列車に乗り込み、直江津まで揺られました。
「下車」しただけになってしまったので、再訪を誓ったのでした。
今も変わらずジャンクションの直江津は大きなターミナル駅でしたが、上越市の中心は高田の方のようです。
意外なほど寂しい駅前通りでした。
直江津から新潟まではJR信越本線になります。
次は「日本海をバックに駅名標が1本」の写真が印象的だった、信越本線「青海川」を目指します。
今回も読んでいただきありがとうございます。