第5日目8月1日・湧網線は素晴らしかった

●小清水原生花園を観光
今日の朝活でそばの小清水原生花園を見に行こうと思い、近くのバス停の時間を調べたら時刻表に載っている便より1本早いのがあるのがわかり、予定を繰り上げました。
バスの時間に合わせて出発しようとしてたら、同室の人は早々に出発して行ってしまいました。ライダーさんは朝が早いです。
昨日は夕飯の時間に間に合うように、北浜駅から早足で歩いたので景色をよく見てなかったY.H.までの道。あらためて歩いてみると、濤沸湖の端にあたり湿原が広がる気持ちのいい道でした。
朝早く起きて散歩したかった感じ。
濤沸湖のそばを通る国道も同じで、バスの車窓は湖と緑の広がる「これが見たかったんだ」という景色。
しかしながら、原生花園まで乗ったバスはガラガラ。マイパースで走って目的の原生花園入り口の停留所でおりました。
今は「原生花園駅」のあるあたりですが、この当時は駅がありませんでした。
Y.H.で花の時期の6〜7月をすぎると、「花園」じゃなくて「草園」ですよと説明してました。
そのとおりで、砂丘にあがるとちらほらと花がありましたが、基本的に草原でした。
それでも360度のの展望は素晴らしく、内陸側には濤沸湖、海側は濃い青のオホーツク海。
丘がなだらかなのでオホーツク海の海岸まで降りてみました。初めてみる海は透明でとてもキレイでした。
バス停に戻って浜小清水まで移動。原生花園あたりは何度もきてみたい場所でした。
バスで着いた浜小清水駅は北浜駅の手前。こういう戻ったり進んだりできるのが周遊券の便利なところです。
1004の網走行きは時間がいいためか超満員。網走までデッキで立つことになってしまいました。
8月1日 浜小清水1004ー網走1040
キハ58-101
キハ27-43
この当時の旅人はライダーか鉄道でまわるのがほとんどだったので、観光地のある路線は満員なのがわりとデフォでした。
家が増えてくると網走。市街地に近いのは一つ前の桂台なので地元の人はそこで降りる人が多かったです。
北海道の主要都市はどこも道路が4車線なのには結構驚きでした。
網走駅は市街地の外れにある、ホーム2本だけの思ったよりこじんまりした駅だったのは意外でした。
●インターバル・網走
そんな網走駅ですが、やはり始発駅。旅行者がたくさんで活気がありました。
予定ではここから湧網線で中湧別に向かうのですが、列車が1446と4時間近くまち。
今だったら街散歩とかオプションをいれますが、このころはそういうことは考え付きませんでした。
そこですぐに出る列車に乗って美幌まで往復して時間を潰しました。
美幌方面に行く普通列車もまた満員。沿線案内があったのは新鮮でした。
網走に戻っても時間があるので、駅前のラーメン屋で昼飯。戻るとすでに湧網線の列車の改札が始まっていました。
今でも地方では残っていますが、本数の少ない北海道では行き先や列車別で改札をするのがあたりまえでした。
単行列車なのにものすごい混雑でしたが、なんとか席を確保できました。
200%くらいの乗車率になるんだから増結とか考えないのかとあちこちで思いました。
●最初で最後の湧網線乗車
湧網線は廃止が決まっているので、最初で最後の乗車となりました。
というか、第一次の廃線対象でありながら残っていたのがラッキーだったかもしれません。
8月1日 網走1446ー湧別
キハ22-259
1446定刻に出発。少し走った大曲の仮乗降所を通過し石北本線と別れ、網走川を渡り続けて川に沿って走っていくと網走胡のエメラルドグリーンの湖面が車窓に広がりました。
網走湖と別れて内陸に入ると畑地を超え、つぎにオホーツク海と繋がっている能取湖が広がりました。
能取湖畔はほとんど何もない原野。そのなかをマイパースで淡々と進んでいきました。
ちなみに湧網線は線路企画が低いので30mレールが使われていて、ゴトンゴトンという走行音にまじってダダダダダダダとブラストビートのような走行音にときどきなります。これは北海道の過疎ローカル線ではけっこうあったのでした。
無人地帯の中にポツンと駅。こういうシチュエーションがこの路線の素晴らしさを出してると思います。
「湧網線に乗ること自体が観光」といわれてた所以です。
廃止してしまうにはあまりにももったいないのですが...。
湖を離れ内陸に入ると再びどこまでも広がる美瑛の丘のような畑。見たい景色全部見せましょうってくらい目を話せない車窓です。
その内陸をしばらく進み海辺に近くなって街になってるところに出ました。
常呂駅です。ここで結構降りる人がいました。沿線で街らしい街はここくらいなのが、輸送人員の少なさなのでしょう。
常呂を出るとする常呂川の河口を渡り、また内陸を走りました。
大体地形に沿って鉄道がひかれてるようです。
高度を下げてサロマ湖畔を走ります。地図で見るよりどこまでも広い湖だなあと。まるで海です。
湖畔をトレースするように走っていきました。
サロマ湖と別れると畑地と牧草地、原生林という、道東らしい景色。
それにしても駅の周り以外は無人地帯が多いのでした。
どっちかといえばハイライトは前半だけど、地味に北海道の奥深さを感じる後半部分もみどころだったでしょう。
車内も人数が減り、ここまで乗り通してるのは鉄道ファンらしきひとばかりというのが、この路線の厳しさを表していると思います。
「利用が少ないのではなく、そもそも利用する人が住んでない」という感じでした。
実際、今はこのルートをトレースできるバス路線はありません。
そんな過疎地隊の中を走り、大きな町ではないけど集落のある名寄本線とのジャンクションである中湧別に到着。
大体の列車はここまでですが、乗車した列車はスイッチバックをして1日2往復しかない「湧別支線」に乗り入れます。
つづく