昼行客車急行ニセコ(函館ー札幌)
更新が開いてしまいました。本当は週刊ペースを目指してるのですが。
いよいよ北海道入り。最初の列車は昼行でありながら客車列車の
札幌行き急行「ニセコ」を札幌まで乗り通しました。
車両は14系座席車でした。
連絡船のお客はほとんど先発の特急「北斗」か臨時急行「すずらん」が
札幌に早く着くのでそちらに乗車したので、
一番最後に函館を出る「ニセコ」はガラガラでした。
急行ニセコ号が昼行ながら客車列車なのは、本州から航送されてきた
郵便車と荷物車を貨物駅の苗穂まで運ぶ役目があるからでした。
編成が客車4両に荷物・郵便車3両という、さながら「急行荷物列車」を
彷彿させることからもわかります。
あと、特急「北斗」を始め、札幌行きの列車のほとんどが,勾配の少ない
室蘭本線経由に対して、小樽回りの「山線」を走る優等列車であること。
この当時の山線は、今(2024年)のような過疎ローカル線ではなく、
室蘭本線のサポートのように、「急行ニセコ」「特急北海」が走り、
夜行荷物列車兼旅客列車も走っていました。
連絡船に積まれてた郵便、荷物車をを後ろに連結して
14:55定刻に発車。

青函トンネルの津軽海峡線(まだそんな名前はついてなかった)のために
電化工事が始まっていた、五稜郭を通過。
さすが北海道です。車両基地の敷地の広さが全然違います。
ヤードもあったので、草むした更地の中を走り抜け、
七飯から高い高架になり仁山経由の本線をオーバーパスして、
下り列車のみの藤城線を走ります。今は数本の普通列車と
貨物列車しか走っていませんが、元々、機関車牽引の下り列車の勾配緩和の
ための別線で、下り「北斗星」も走っていました。
この当時は、新幹線駅がある「新函館北斗」あたりはに山高原の山の中でした。
人家もない山の中を通り、峠のトンネルを抜けると景色が開けて
仁山経由の本線が隣に並び、大沼国定公園の小沼のほとりを走る
最初のハイライト。大沼で海岸線を通る砂原線が合流して大沼公園に停車。
ここから海岸の森まで駒ヶ岳の麓の高原の車窓もステキな区間です。
大沼公園の水辺の景色、車窓の真ん中に駒ヶ岳がそびえる
森までの区間は、車窓に釘付けになります。
新幹線が開業すれば、この区間はトンネルでぶち抜いてしまうようなので
この区間の車窓が見れなくなるのは非常に残念です。
高原から海岸線まで一気に下ると、いかめしで有名な森駅。
ここからは長万部まで海岸線を走ります。
本州だと日本海側や青森の方までいかないと見れない、荒涼とした海岸が新鮮でした。
一番前の車両に行くと、機関車越しに直線に伸びるレールと、
そこを全開で走る機関車が迫力ありました。
絡み合いながら通ってるR5沿いに「かにめし」と書いたドライブインが
目立ち出すと長万部。ここで山線のためにDD51重連のチェンジするため
10分くらい停車。
ホームには「かに飯弁当」の立ち売りが。
同時に郵便車から郵袋が降ろされていました。
この当時は絶滅した駅弁の立ち売りも残っていました。
機関車を重連にパワーアップして、いよいよ山越の連続する「山線」区間に
走り出しました。函館本線の方が建設が古く、本来本線ですが、
室蘭本線に本線扱いをゆずったかのように、
ローカル線が分かれるように左にカーブして内陸側に入っていきました。
もちろん単線です。
原生林の中、高度を上げていきました。スピードは落ちてますが、
DD51重連が入線でき特急列車も走るので、軌道そのものは
ローカル線ほど貧弱ではないので、乗り心地が目立って落ちると
いうことはありませんでした。
とはいえ、沿線はほとんど原生林。車窓は北海道のローカル線
そのものです。駅の周りに集落が形成されてる以外は無人地帯の
中をマイペースで進んで行きました。
旧上目名あたりが峠。以前は駅がありましたが、周りが無人地帯に
なったためか廃止されて久しいです。
山を下って大きめの集落がある目名駅で、函館行きの旧型客車の
普通42列車と交換。向こうは結構乗ってる感じでした。
この当時の山線は旧型客車の比較的長距離の普通列車が多かった
記憶があります。
今はスキーで賑わう「ニセコ」も当時は人家もまばらな
小駅でした。
遠目に羊蹄山がみえるところで久しぶりの「街」である
倶知安。この辺りでは一番の規模の街です。
ここは、廃止になった胆振線の始発駅でした。
一番線に単行気動車が止まっていました。
倶知安を出ると倶知安峠超え。峠を越えた小沢駅は廃止になった岩内線の
始発駅ですが、ジャンクションでなくなった駅は。列車を待つ人もいない
寂しげな雰囲気の駅でした。
小沢の手前くらいから日暮の時間にかかっていたので、
あっというまに真っ暗に。夜行列車の雰囲気になりました。
真っ暗な山越えで夜市などをていしゃしましたが、
どこを走ってるのかわからないので退屈。
当時はネットやケータイなどないので。
街の明かりが見えてきてその方向に下っていくと
小樽。19:50着。電化区間になるここからは機関車は
DD51からED76にチェンジ。
小樽からしばらくは海沿いを走っているのですが、真っ暗で何も見えませんでした。
札幌までノンストップで定刻に札幌着。
長い乗車時間でしたが、明るい間は車窓に変化があって退屈しませんでした。
本日の行程はここで終わりではなく、釧路行きの夜行急行「まりも」に車中泊です。
22:00発ですが、ニセコで着いた時にはすでに自由席の乗車口には列ができていました。

つづく