基本は日帰り・ご近所さんへの旅鉄訪問記

確認より発見が目標の旅鉄と気まぐれ街歩き薄口日記の2本立てですよ〜

旅の最後に大アクシデント。痛恨の打ち切り決断で帰宅〜25年ぶりの北海道・Final

こんばんは。長らく続いた北海道旅シリーズ、今回が最終回です。
少ないので前回に押し込んでもよかったのですが、長すぎになってしまうので分割しました。


七重浜の函館フェリーターミナルにタクシーで着いた時には、1本前の乗船受付中でした。
通常料金での乗船だと機械でのオートチェックインが使えますが、割引がかかっていたのでカウンターでの手続きになるので待機。

まるで空港のようなキレイで、港側は全面ガラス張りで展望がよさそう。
景色を楽しめるようにか、フロアの椅子は海の方を向いてました。

ですが、夜間なので照明に照らされた船と暗い海で残念でした。
売店や軽食のカウンターもありましたが営業は終わってて閉鎖されてました。


フェリーを使っていつも思いますが、ターミナルが駅から遠いこと遠いこと。
駅直結の連絡船がいかに便利だったかです。


夜遅いので人もまばらでがらんとした感じ。椅子で寝てる人も。
0:40発の船という、連絡線時代なら一番混む深夜便なので、当時の待合室には人がいっぱいだったのですが。


22時過ぎの便が出たあと、チェックイン手続きをして0時過ぎに乗船開始。
客室乗務員の出迎えもなく、東京湾フェリーのようにビジネスライクでした。

この日乗船した「ブルードルフィン号」。


自由席といっても船室はすべてカーペット。「枡席」なんて構造は今はなくなったのかなあと。
大型船なので、広くて乗りははっきりしませんがガラガラな印象。船室独り占めでした。

深夜便なので売店は出港後30分だけ営業、航行と安全のため窓はあけないようにと一通り案内放送。
船室に毛布がないなと思ったら150円でレンタルでした。

シャワーがついていたので風呂に入れなかったのでラッキーでした。
売店のある共用スペースを見てまわると、自販機の他にゲームが置いてあるっキッズルームがありました。


目立つほどじゃないですが、乗船だけの人もちらほら。
毛布を借りるときに売店の人に鉄道旅行の人は珍しいのではと訊ねてみたところ、一定の固定客はいるそうです。

やはり料金の安さと夜間移動で時間が効率的に使えるメリットは大きいからでしょうか。


シャワーを浴びて船室に戻って眠ったと思ったとたんに青森港到着の放送で起こされました。
3時間50分は寝ればあっという間です。

下船はタラップからではなく車両甲板からになるそうで、車の人のあとなので一番最後でした。

車両甲板からの下船はライダー時代以来でした。


9月の頭とはいえ4時でもまだ真っ暗。

たいていバスのない早朝、深夜はターミナルにタクシーが何台か待ってるのですが一台もいないではありませんか。
一緒に下船した乗船だけの人の何人かは、青森駅の方へ歩いて行ってました。

Mapで見たら結構遠そうだったので、迎車の要請のTELを。アプリが使えるかわからなかったので。
待つこと15分くらいできてくれました。運ちゃんの話では不景気で稼働する台数が少なくなったと。昼夜問わずどこもそうなんですねえ。

青森駅まで歩くなら相当体力がないと30分以上かかると。


青森駅東口まで、迎車の上深夜料金なのでなかなかな出費で函館港もたすとイテテテでした。
駅は在来線だけになったせいかまだシャッターがしまっていました。


今日は竜飛崎往復のあと大館泊なので、コインロッカーに荷物を預け身軽になり津軽線の始発に乗るために駅が開くのを待ってました。
5時半前にシャッターが開いて青森駅が営業開始になったので、駅の掲示板をみてみるとショッキングな告知が。

「長雨による水害のため下記の区間は運転見合わせ、バス代行のため本数削減。特急つがるはすべて運休」と。
その中に、これから向かう津軽線末端部、花輪線大館ー陸中花輪間、奥羽本線の大館から先が入っているではありませんか。

特に津軽線中小国ー三厩間は写真があり路盤、鉄橋流出など再起不能な被災状態。しかもネットで調べても並行バスがありません。
花輪線もダメ、宿泊予定の大館までは普通列車が3本くらい。

唖然、ぼーぜんです。


この年、6月ごろからの東北・北海道が大雨続きだったためです。
この旅ではうまくすり抜け(でも1日当たった)たとはいえ、基本的に雨続きでした。

しかし。学生時代から北海道旅行に行くと必ず台風に当たって危機になりましたが、予定変更で済ませられないほどの運行障害にあったのは初めてでした。


青森に出るならと、1番の目的だった竜飛崎は到達不可能。宿泊地の大館は袋小路の上、到達できるか微妙だし行っても意味がほとんどありません。真っ白になって階段で時刻表を見て作戦会議をしましたが、対応策が思いつきませんでした。


悩みに悩んだ末、「仕方ない、打ち切り帰京しよう。大館の当日キャンセル、ホテル代全額没収は不測の事態だから仕方がない。明日の盛岡からの新幹線のチケットがあるから、救済が適応されるかもしれないし」


荷物を持って新青森へ。

朝の奥羽本線の電車で新青森へ。

開いたばかりのみどりの窓口で事情を説明しました。
窓口氏は「お待ちください」と上司に相談。

結論は「三厩荒屋新町行きの乗車券なら払い戻しになるが、使用開始後の18きっぷなので旅行中止の適用にならないこと。
(よーするに行き先がわからないからってこと? 振替乗車が定期券しか適用されないのと同じ意味?)

新幹線指定券は乗変扱いにならず、払い戻して買い直してください(「得だね」で買ってるので、これは納得できない)。


背後に随分お客さんが並んでしまってるので、ここでゴネても仕方ないし迷惑かけるのでわかりましたと。
スマホで払い戻し手続きと買い直しをして、発券機でチケットを出して、待合室の売店で朝食を買って東京行きのはやぶさに。


乗車しても何も考えられずボケーっとしてました。
唯一考えたことは「損切りした18きっぷ2枚どうするかな、あと使えるの週末の1日しかないし」。


天気は予報の「絶対雨だからな」とは裏腹にどピーカン。
有給使って上高地に行ったとき、私が行った日だけ土砂降りで帰る日にどピーカン。

帰りの「あずさ」で敗北感を感じたのと同じ感じでした。


仙台を過ぎても憎たらしいほどいい天気。もったいないよなあとしみじみ。
雨になったのは黒磯の辺りの山を超えて、関東平野にはいってから。それまで快晴だったのが嘘のような変わりっぷりでした。

なんだよ、雨が続いてるの関東だけじゃないかと。


東京までの3時間半が長かったです。いつもなら余韻に浸りながら帰るとこですが、なんにもなしでした。
東京から中央快速に乗ると現実に引き戻され、25年ぶりの北海道旅行はしょっぱい終わり方となってしまいました。


最近報じられたとおり、再起不能になった津軽線末端部は予想どおり存廃が検討されています。
花輪線も新屋新町ー陸中花輪間の輸送人員がワースト1とのこと。いずれ存廃論議が起きるでしょう。

そして自分自身、このとき旅を打ち切ったことの総括をしています。


ブログとして十分な量になるように、描写を少し細かく書きました。
波乱のラストとなりましたが、読んでいただきありがとうございます。