京急・幻となった三崎口延長区間
前回の京急の旅、パート2。
謎だった「YRP野比駅」を訪問したのち、終点の三崎口へ。
もう一つの謎の、有名な場所を見てみたいと。
古めの地図で三浦半島を見ると、京急線は三崎口から点線になって油壺あたりまで書いてありました。
いわゆる「未成線」ですね。
当然好奇心を刺激されました。
「この区間どうなっているんだろう」
しかし、三浦半島や城ケ島に何度かツーリングしましたが、R134の油壺の駅にあたる部分近くはそれらしい建造物は何もありませんでした。
その謎を解きにやってきてみました。
京急久里浜線をコンプリートしたいと言うこともありましたが。
降り立って、まずは終点の部分を確認とホームの突端に。
確かに延長を見込んでるように仮設っぽい車止め。線路はさらに先へと続いています。
陸橋はR134だろうと駅を出て見ました。さすが観光地への玄関。
広い駅前広場です。
R134に出てホームから見た陸橋部の反対側に回って見ると…。
架線が終わっており、丘をおそらくトンネルでくぐるようですが、まったく手付かずの雰囲気。
まるで工事を放棄されたかのよう。
延長線の未成線で工事途中で止まっているのなら、最低でも準備工事程度されているはず。
さらに謎が。
家に帰った後、調べてみました。
まず、今の地図を見るとかつてあった点線がなくなってます。
ググってみたら簡単に答えが出てましたが。
よーするに、延長は「計画倒れ」だったとは。
手付かずなのも納得。
要約すると、久里浜線の計画自体は久里浜ー油壺ではなく三崎市・三崎港の近くまでだったようです。
しかし、用地取得の難しさなどで三崎地区への乗り入れは断念、先に工事の進んでいた現在の三崎口駅までを暫定開業させたようです。
しかし、油壺までの区間も用地買収など大人の事情で難航。しかし免許は生きていたので「計画線」として点線で地図に載っていたようです。
その後、三崎半島側が進展しない一方。羽田空港乗り入れプロジェクトの方が優先され「空港線」は現在の姿に。
三崎線延長区間は2005年に事業廃止となりました。
しかし、延長を諦めたわけでなく「再申請」を前提としてたようです。
だが、三浦半島の人口下落や経営上の事情などが絡み延長計画は浮上せず事実上「計画倒れ」となったようです。
この辺は京急ファンの方の方が詳しいと思います。
流れ的には西武新宿線の支線でずっと休止線だった、西武安比奈線の復活が「計画倒れ」になったのと似てますね。
確かに空港線が好調の反面、赤字が見込まれる末端区間を大金をかけて開業させるメリットは少ないでしょう。
しかし、三崎マグロの観光キャンペーンをするように、城ケ島、油壺、葉山方面は大観光地。
横須賀の先まではバイパスがありますが、西側はR134しか幹線道路がありません。城ヶ島方面も県道の一本道です。
バイクで実際通ってみても、行楽期は長区間の激しい渋滞が当たり前の区間です。
せめてマリンパークのある油壺まででもレールが通っていたら、少しは交通地図が変わっていたんではないかと。私感ですが。
現在の様子を見ると、空港線に力を入れてるようで。
追加料金なしで転換クロスに乗れ、旅気分を味わえた「乗り得列車」快速特急三崎口行きに、ロングシート車がよく入って「運次第」になったのは残念です。
次は、浦賀とR16が消えるとこを見に行ってみたいですね。