「街のレコード屋さん」が壊滅状態になってるのは周知のとおりです。
そのことを考えた時、ふと「西新宿のレコード店街」がどうなっているか見に行きたいと思いました。
今ではインディーズのCDも大手の流通に乗ってれば、通販で簡単に買える時代。
かつてはライブ会場かアーティストからの直販、マニアック&インディーズ専門店で委託されてるものを買いにいかなけばならなかったのでなかなか手に入れにくかったものです。
そういうものから輸入盤専門店、「プライベート盤」といった海賊盤・出所不明のVIDEOを置いてる店など、見て回るだけでも1日潰れてしまうほど多種多様なレコード屋が、西新宿8丁目「柏木公園」付近に固まってました。
見に行ってみようかなと思ったとき、
資料にしてる「東京ディープツアー」に載ってた昭和と平成がコラージュした風景写真を見て、そちらも合わせて訪ねてみることにしました。
新宿西口を出て、青梅街道を中野方面に行くと都庁の裏、新宿中央公園に向かう道に。
その道と都庁の前を通る道がぶつかったあたりに、かつて「新宿十二社温泉」がありました。
まだ都心の温泉がメジャーになる前、温泉本の片隅に載ってたのを頼りに行ったんですが、入浴料1000円というあまりの高さに入らないで帰ったっけと思い出しつつ、資料本に載ってる地図によるとこの辺のエリア一帯だったな。
と、丹念に路地を覗きながら歩きました。
しかしそこは新宿、大規模な再開発がされていて綺麗な高層ビルばかり。
写真は2007年頃だったのでその風景はなくなってしまったのだろうと思いつつ、何かないかと探しながらトボトボと。
やっぱ裏道から回らなきゃダメかなと適当な路地に入って、通りと並行する裏道を歩くと道を斜めに横切るように緑道が。
しかもゆるくカーブをして神田川方面に向かっていました。
もしかして河川跡かもと、たどって行くと大規模な建設工事現場と更地、駐車場が並ぶ先に木造建築の古い家の固まりが点々と。
近くまで行って新宿駅方面を見ると、ワンダホー。
昭和建築の古い家屋の背景に見上げるキレイな高層ビル。なんともカオスっていうかシュールな景色です。
昭和な空間、そしてすぐそこまで迫ってる「平成」。
しばし感動しながら付近を一回りして写真を撮りながら、青梅街道に戻って反対側の西新宿2丁目へ。
レコード街のあったところを目指しました。
「新宿村LIVE」ってホールというかライブハウスのような劇場があるんだ。知らなかったなあと裏道へ。
こういう時、適当に歩いても現在位置がわかるスマホのマップとGPSって役に立つなあと。
大久保方面に向かってしまったので、青梅街道に戻ろうと細い路地に。
また西新宿8丁目のその道がカオスでした。
昭和建築の並ぶ細い路地、背景に立ち並ぶビル。
所々に新しい家や建物があって、その部分だけ現在の建設基準になってて道が広くなってます。
しかも、その古い家屋の多くが空き家や廃墟という。
この点が、のちに訪問する下町と違うところです。
生活感がほとんどないので空気感が違うんです。
重たい静寂とまるで異空間のような雰囲気。初めて感じるその感覚にハマってしまいました。
地図を頼りに歩いて、青梅街道に出るとひっきりなく走る車と喧騒。
歩いてきた場所とビル一つ隔てただけなのにまったく違う空気感と違和感。
なんかうまく言葉になりません。
青梅街道沿いはビルが立ち並ぶ間違いなく「現代」なのですが、そのビルの裏側には「昭和の時間と生活感のない重たい空気」。
立ち並ぶビルがセットで、その裏が街の本当の姿のようにさえ感じました。
目的のレコード店街を目指すため、ショートカットしようと再び路地に。
細い路地に似合わない、外国人旅行者が歩いていました。
「ああ、この辺がニュースでやってた民泊が密集してるエリアか」
そう思いつつ歩くと、飲食店が集まってるエリアに。
この辺にこんなエリアがあったんだと横切って行くと、柏木公園の前に出ました。
あれ、この辺じゃなかったっけ。と、周りを回ってみましたが、あるのは飲食店ばかり。
そっか〜、やっぱレコード屋はなくなってその代わり飲食店街になったんだと納得。
公園で一休みして帰るかと戻る途中に、知ってるバンドのサインが貼られたビジュアル系専門店や細々とやってる中古店。
看板だけあって空きテナントになってるところと、以前の痕跡を感じました。
街のレコード屋さんが壊滅したように、新宿のレコード店街も歴史の中に埋もれてしまっていました。
訪問した日時と記事が前後してしまってますが、すいません。
過去記事は間違いや書き忘れたことがあったら、適宜加筆修正をしてブラッシュアップをしてますのでよろしくお願いします。
今回の資料・ガイド。今回もこれです。
「昭和レトロ」ものは著者が関西の人が多い関係か、西日本の比率が大きいので貴重な本です。