東神奈川・昭和な港湾風景(前編・波止場のBarと貨物線跡)
喪中ですので寒中見舞い申し上げます。
今年もよろしくお願いします。
今年1回目になるのは、年末に書いた「黄金町」の頭に「瑞穂埠頭」の廃線跡を貼りました。
「東神奈川」廃線跡を見て回った時のことは、ここで記事化してなかったのでした。
実はここの取材、2回連続で降雨コールドになってしまったという難産でした。
そのため同じ場所の写真は2日の中から選んで貼ってあります。
きっかけはある1枚の写真でした。
多分多くの人が見たことがあると思います。ドラマなどのロケ地に度々出てくる、「波止場のアメリカナイズな小さなバー」。
これがどこにあるのかずっと謎だったのです。
雰囲気的に東京じゃないから、近くと考えると横浜かな?
でもみなとみらい地区の開発から取り残されたエリアにもなかったから、山下埠頭?
でも、中に入れないしそれらしき建物がなかったよなあ…。
ありうるとすれば行ったことない本牧?
そこだったら広いから電車だと行きにくいぞと。
そんな感じだったんですが、横浜の廃線跡や湧水を調べている時に画像の中に見覚えのある建物と同じ景色が。
おまけに錆びついた橋梁にレールという素晴らしい建造物が。
「もしかして、例のバーってここじゃないか?」と、場所を見ると「瑞穂埠頭」と。
瑞穂埠頭って初めて聞くところだなと地図を見れば、東神奈川の埋め立て地。米軍の施設があるので立ち入り禁止となってるのでした。そのため埠頭に渡る橋は「渡れずの橋」となっている…と。
そのバーは橋の手前にあるようでした。
これは見に行かない理由はないと、休みに東神奈川に行ったのでした。
JR横浜線が東海道線に合流する東神奈川駅は立派な駅ビルで、京急の仲木戸駅が隣接していてつながっていました。
瑞穂埠頭方面にバス路線があると地図にありましたが、走ってるのが本当なのか怪しい朝2本だけというないようなものだったので、徒歩で向かいました。
駅前を通る道を海岸方面にまっすぐ向かえばいいというとてもわかりやすいです。
再開発されて区画整理されてる駅の横に、意味ありげな曲線を描いた空き地が。
あとで調べてわかったのですが、その曲線の空き地も合わせて道路は現在の高島貨物線にある駅「東高島」に向かう廃線跡なのでした。
道なりに歩いて行くとその高島貨物線の踏切が。休日にもかかわらず割と本数が多いのは意外でした。
一番外側の線路にこれまた訳ありな分岐がありました。
踏切を渡るとかなり年季の入った倉庫が並んでいて、反対側には高島線から分かれてきたレールの残る廃線跡が。
分岐は近くなので見に行きたかったところですが、会社の敷地内のため入れないのが残念。
倉庫の並びを抜け瑞穂埠頭に架かる橋の手前にポツンと建物が。
「おー、同じじゃないか」例のバーが2軒。映像で見たのと同じなので結構感動(当たり前ですが)。
今も営業してそうな雰囲気ですがどうなんでしょう。船舶教室も併設してるようです。
そして、これでもかと大書してある「立ち入り禁止」の橋の横に錆びついたトラス橋が。
これが瑞穂埠頭への貨物線跡。単線ですが橋梁は複線用の幅があります。
事前に調べたところ、以前は橋を含め埠頭全部が立ち入り禁止でしたが、今は外周の道だけは通れるとあったので橋を渡りました。歩きながら橋梁をじっくり観察。なんか歩いて渡れそうもなきにしもあらずでしたが、腐ってる枕木が折れれば10m近く下の冷たい運河に転落、助かりそうもないのでやるもんじゃないなと。
長年使われてない割にはきちんとした形で残っているのは意外です。
米軍施設の物資輸送に使われてた時期もあったというので、川越の安比奈線のように長らく休止線になっていたのでしょうか?
運河を渡りきったところで道路は左にカーブ、線路は直進して米軍施設に。
遮断機がない踏切跡がいい味出してます。
石油線のところと同じように米軍施設は撮影禁止らしいので覗くだけ。
警備員と揉めたり、「事務所こいや」にはなりたくないのでそこは。(とはいえ、他の人のを見るとバシバシ撮ってるんですよね)
施設内に伸びてる線路は撤去工事が始まるみたいで、準備工事がされていて衝立が立ててありました。
休日のせいもあると思いますが、車がほとんどこないし柵で囲われてないのでじっくり観察できました。
橋を戻って、手前にある道を横浜方面に歩いてみました。運河沿いの昔の晴海や豊洲のような昭和な港湾風景がこれまた味があります。
岸壁がレンガ積みのところがあり興味深いです。また、使われてない運河も埋め立てられてないのでいい絵になってました。
ただ、場所によっては更地にしてるところもあったのでいずれ再開発されそうでした。
(地元の人らしき人のコメントで、すでに再開発計画が始まっておりこのあたりはまったく変わってしまうようです。なのでいい時に見にきたとありました)
再開発されれば運河も埋め立てられ、廃線跡もなくなってしまうことでしょう。
(みなとみらいがそうでしたが、空き地が多かった頃は線路が残ってたりしましたが、ビルが作られたり整地されてすべてなくなりましたから)
東高島駅のそばで運河に錆びついて落ちてしまいそうな橋梁が。
見るとレールが残ってるでありませんか!
これはレアだなと反対側を見てみると先ほど通ってきた道沿いにあった倉庫の裏側に位置的に当たりました。
そして延長線に見ると、東高島駅の駐車場にホームの跡らしきものが。これまたなかなか興味深いです。
船溜りの背景には横浜駅付近の高層ビル群が。コラージュのようで不思議な景色でした。
「滝野川には川の上に突き出してるバラック住宅がある」というので見に行こうと移動してると、ここにきてからずっと今にも降り出しそうだった空がいよいよ暗くなって本格的に降り出してしまいました。
傘をさしながらの探索や撮影はキツイわ。というわけで、初めてのコールドゲームに。
仕方なく残ったところは次の休みに再訪することにして帰路についたのでした。
残念でしたが、そのおかげで「ここは寄らねば」と思う大物を見つけることになったのです。
続きます☆
今年1作目となりました。読んでいただきありがとうございます。