基本は日帰り・ご近所さんへの旅鉄訪問記

確認より発見が目標の旅鉄と気まぐれ街歩き薄口日記の2本立てですよ〜

1986夏休み「国鉄」旅鉄。第2幕・2「旧標津線で野付半島へ」

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自分で撮ったりパンフの写真が手元にないので、ネットから拾ったものでイメージを。


こんばんは。前回は脱線してしまいましたが、長年ファンをやってて近年の場の荒れ方と、世間の風当たりの強さに耐えかねてJRからの返信を載せました。うちのような弱小ブログじゃ、影響なんてないと思うけど。

メインタイトルがやたら長いので、今回から省略しました。


本線に戻って旅を進めます。いよいよ、この旅のメインとなる「道東のローカル線めぐり」です。
急行まりもで釧路へ着いて、接続の釧網本線経由の標津線根室標津ゆきのホームへ。

ホームの列車は3両編成でしたが、前の2両は釧網本線の網走行き。根室標津ゆきは最後尾の1両。
網走行きより、標津線の列車の方が混んでて、ボックスはほとんど埋まっていたけど、なんとか席を確保。

荷物を置いて、売店で朝飯のカステラと缶コーヒーを購入。菓子パンは売り切れてたので。
車内に戻るとすぐに発車。左の側線に大量の廃車となったディーゼル機関車が留置されていた。


広い釧路川本流を渡って、釧路にも劣らずの敷地の広さがあった「東釧路」に停車。根室本線を左カーブで見送って釧網本線に入る。
しばらくは釧路市の住宅街で家が立ち並ぶ中、そこを抜けると左に広大な釧路湿原が広がっていた。


釧網本線はそのふちを右に左にカーブをして進むんだけど、意外なことに結構な上りもある。平坦だと思っていたので意外。どの辺を走ってるのかわからないような広い湿原を車窓に見ながら「塘路」に到着。

すれ違いのためしばらく停車。景色のいい駅だけど、交換駅としては寂しい。列車交換をして走り出すと、両側に沼がある湿原の中を突っ切る。(釧網本線の写真といえばこの場所)初めて見る景色ばかりで感動。


7月30日の行程
釧路8:16-根室標津9:39 626D~4323D キハ40ー220
「トドワラ観光」
根室標津1223-中標津12:10 4328D キハ22-170
中標津13:23-厚床14:30 354D キハ40-129
厚床14:47-根室15:30 急行ノサップ3号
「ノサップ岬へ観光」
根室玉屋YH泊。


7:25に標茶に到着。ここで網走ゆきと、根室標津ゆきに分割。2両の網走ゆきが出発すると、しばらくしてドアを閉め一番端のホームに転線。分割や転線を含めて35分の停車だから、車両だけが直通でほとんど別の列車になるような感じ。

その長い停車時間を利用して入場券を買ったりスタンプを押したり、夜行の連続だったので、ベタベタの顔を洗ったりで過ごした。
8:00に発車。釧網本線と別れると森の中を進む。次の駅までなんと12.7km19分もかかるから恐れ入る。都内じゃ考えられない。


(まだこの時はネットもないし、地図なんて持って歩けないので知らなかった)この長い区間で意外なことに山越えがあり、自転車のようなスピードでありながら唸りを上げて登っていく。

峠を越えて泉川を出ると、あたりは牧草地、川の周りは湿原の酪農地帯。単調で長い駅間に疲れが出て居眠りの連発。
駅といっても、板張りのホームがあるだけの簡素な、駅というより「停留所」という感じ。

居眠りの連発のおかげで意外に早く中標津についた錯覚。ここはある程度の町のようで、駅もしっかりと立派。ここで地元の人はほとんど降りてしまった。


1分停車で発車。町を出ると、また農地と酪農地帯の単調な景色。ゆるい丘が広がり標高自体は高くないのに山の中を走ってるよう。29分で終点根室標津に到着。広い駅を出ると街中なのに静かすぎるほど静かなのには驚いた。


「オプション・トドワラ観光」

列車に乗り続けるのもアレなんで、沿線のいきやすいところには寄って観光してみたりしました。
駅のコインローカーにバッグをしまって身軽になって、バスで野付半島の先、トドワラに行ってみる。

(今でこそ、とんでもなく行きにくいところだけど、当時は根室標津まで鉄道で行けたので、意外なほど行きやすかったのです)

野付半島の先。車道が終わる「トドワラ入り口」に行くバス「トドワラ観光号」。列車に乗ってた観光客のほとんどが乗ってるので席が埋まるほどの乗り。もう発車の時間だというのに、運転手が営業所の前で水撒きをしてるから、呑気なもんだなあ。

道は2車線の舗装路で車なんて走ってない。さすが道東の果ての方って感じ。まっすぐな道をバスはマイペースで走る。テープの案内放送によると途中野付半島の狭いところでは道路以外砂浜。左は根室海峡、右の湖のような入江が尾岱沼。30分くらいで駐車場のある「トドワラ入り口」。

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「トドワラ」は元々陸だったのが尾岱沼が海になって海水が入り、松の木などが立ち枯れて白くなったという、なかなか「地の果て感」を感じるところ。しかし、その立ち枯れた木も年々減っていってるという。

駐車場からは遊歩道を歩いての見物。最初の方は両側に白い花があったりと原生花園のようであったけど、奥に行くと骨のように白くなった松などの木が立ち枯れてたり、倒れてたりと「この世の終わり」のような迫力のある景色。これぞ自然のなせる技ですねえ。


天気が良かったので、根室海峡の先は北方領土国後島なのだけど、先の方は曇っていて全然見えず。運が良ければ島が見えるという・

帰りも同じバスできた道を引き返す。野付半島は大変狭い半島で道の両側が砂浜だったところのように、最も狭いところだと数百メートルしかないと。(シマエビの産地としても有名。今は立ち彼の木がなくなったと聞いたけどどうなったのだろう)

景色が日本離れしてて退屈せず、あっという間に根室標津に着いてしまった。
オプションに入れてよかった。


いよいよ今日の後半コース。1日に4往復しかない中標津厚床標津線根室まで行くプランニングに苦労したところ。

 


追記:今となっては行くのも大変な野付半島。北海道旅行ブームの時は「鉄」がローカル線を乗り回るより、一般の学生旅行者の方が多かったのです。このトドワラの例のように、観光地最寄りの駅まで数少ないローカル線を使い、終点からバスで目的地というのがデフォルトのコースだったのです。

そのローカル線が廃止されたので、レンタカーやライダーになって北海道を回るようになったのでした。
「今の北海道の路線じゃ観光に使えない」のは、観光地が鉄道と離れすぎてる上に、バスは定期観光路線を除くと路線がボロボロで当てにならない状態なので。

はっきり言えば、地元の人にとって鉄道はあってもなくてもどうでもよくなったけど、鉄道がないと外から訪問できない場所と化したのです。私のように人のいない場所を探す旅人なんて少数でしょ。そう思ってます。


写真は実家を漁ればあるはずなのですが、帰れないのでこのシリーズ、テキストものとして続きます。

 

今回も読んでいただきありがとうございます。